〜Super Groom in Las Vegas 出場レポート〜
永峰 猛史(ブレーメン愛犬クリエイティブ専門学校主任講師)
2007年9月18日〜20日(現地時間)の3日間に渡りSuper Zooという非常に大規模なトレードショーがラスベガスにて行われました。今回で56回目を迎える歴史あるこのトレードショーでは900を超える企業が集まり、それぞれが新商品などを展示し来場客たちを大いに楽しませていました。(発売前の商品展示の為、カメラ撮影に関しては非常に制限が厳しかった為資料が少ないのが残念ですが・・)
今回私は、Super Zoo自体を楽しむと共にその中のメインイベントであるSuper Groomに参加してきました。いわゆるグルーミングコンテストの事ですが、参加者の顔ぶれは非常に国際色豊かで、世界各国からプロのグルーマーが大勢参加していました。これまで経験した事の無い空気を感じながらコンテストに挑みましたが、不思議と緊張はありませんでした。ひょっとしたら、それすら感じる余裕が無い状態だったのかもしれません。
コンテストも3日間行われ、初日はテリアやプードルの部門、2日目はMIXそして今年初の試みであるモデルドッグ(人形)の部門、最終3日目はクリエイティブカット部門 こちらは犬種自由でカラーリングや奇抜なカットで自分達の好きなカットに仕上げるものです。出場者達は皆メインステージに横一直線に並び、まさに「魅せる」事を強調したコンセプトのコンテストでした。
私は初日のプードル部門にS・プードルのコンチネンタルクリップでエントリーしていました。モデル犬はLAで4Dogs Grooming Academyを経営されている山田かおり先生の処から11ヶ月シルバーのS・プードルをお借りしました。彼女の名前は「オリビア」といい、人なつこく・非常に可愛い子でした。ただ、会ったその日にいきなりパピークリップからコンチネンタルにした為、彼女にはかなりのストレスをかけてしまったと思います。競技時間が2時間という事で気持ちにゆとりの無かった自分を彼女の明るく陽気な性格が和ませてくれました。最後までしっかり付き合ってくれたオリビアには本当に感謝しています。
自分自身、コンチネンタルクリップは普段からやり慣れたカットではありましたが、結果は入賞さえ出来ないという不甲斐無い結果となりました。それでも、来年出場できるチャンスを獲得出来た事は唯一の救いだったと思います。
他の出場者を見ても、プードル部門はほとんどS・プードルばかりで逆にT・プードルのほうが珍しいという、日本とは全く逆の環境にも驚かされました。以前から外国のグルーマーは細かい作業は苦手だが、バランスを取ることに於いては抜群のセンスを持っているという話しは聞いた事がありましたが、真にそのとおりでした。おそらく、彼らは普段から大型犬のトリミングをする事が多く自然と全体のバランスを取る感覚が身についているのでしょう。そう考えると、「技術は一日して成らず」、やはり普段からの練習が明暗を分けるのだと思います。これから一年間はひたすら練習、当然細やかなトリミングの練習も大切ですが、バランスの取り方、そしてそのイメージを如何に短時間で具現化できるか、が今後の自分の最大の課題となりそうです。
特にバランスやイメージの大切さを再確認したのは、2日目のモデルドッグを使ってのコンテストの時でした。生きた犬とは違い、全員が全く同じ条件で競うため、ある意味では最もイメージ力・技術力の差が出るのではないでしょうか?同じ様にプードルのケネルクリップをしてもバランスが良く美しいトリミングもあれば、足が長く見えたり短く見えたり頭部を下げ、前のめりになっている犬もいます。これは自分の中にあるイメージが悪い、あるいはそのイメージを形にする技術がまだ足りないからでしょう。
最終3日目はクリエイティブカットという事で、派手なカラーリングに身をつつんだ犬達が様々な形に変わっていきます。最初は一体何をイメージしているのだろう?と想像もつかないのですが、仕上がりを見てビックリ!それぞれにテーマを持ったカットに出来上がっているのです。例えば、プードルをポニーの様にカットしたり、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」をテーマに海賊風にカットしたりと、この辺りは日本人にはなかなか無い感性だなぁ、と感心するばかりでした。
今回のコンテストを通して、自分自身のハッキリした課題が見えた事・色々な人と出会えた事・そして世界のグルーミングを目の当たりに出来た事は本当に幸せな経験です。
最後になりましたが、このような機会を与えて下さった学長を始め、他の教職員の方々、そして今回期待に応える事は出来ませんでしたが応援して下った学生達や周りの方々に深く感謝いたします。 |